マホガニー属

ネットでそれを検索すると、

キューバン(小葉) 、ホンジュラス(大葉)、そしてメキシカンの三種が出てきます。

最初の2つは当店でもお馴染みですが、メキシカン種だけは商材として扱ったことがありません。

メキシカン種について、恐らく国内では唯一触れられている考察記述がありまして、それは昭和の東大名誉教授が記した木の事典第19巻(全24巻)の中にあります。

「メキシコからコスタリカまでの太平洋側に分布し木材としては重要でない。」

要約したわけではなく、本当にこれだけしか触れられていません。

他の種のような立木、電子顕微鏡写真もなく、イラストさえありません。

1917年アメリカ農務省発行のマホガニー年鑑的な資料によりますと、メキシコからニューヨークへのトゥルーマホガニーの輸入は1893年は約11,000K.f、1910年でも約8000K.fあったとされています。他の中南米国からの入荷に対して1910年は約4倍の数値です。メキシコからの入荷材すべてがメキシカン種であったとは限りませんが、当時はそれ相応の物量が流通していたことが想像されます。

商材として扱ったことはないと言いましたが、一度だけメキシカン・マホを入手したことがあります。

米南部木材会社の爺様が収集した材の中に入っていたのです。

事業を引き継いだ孫ちゃんから処分するけどいる?と聞かれて二つ返事で譲ってもらいました。約20年前のことです。

収集材の中には、赤黒いキューバンマホや、いくら軍艦巻きよろしく眼玉がこぼれそうに入ったバーズアイ、

流木の変杢ウォルナットなど、サイズは小さいのですが、それはそれは木フェチな逸材がぎっしり入っていました。

前置きが長くなりましたが、その時のメキシカンマホガニーがこれです。

昨日書いたソプラノウクレレのサウンドボードに生まれ変わっています。

これが本当にメキシカン種なのかどうか同定するすべがないため、先達からの伝聞を尊重するしかありません。

木材としては非常に軽く、針葉樹と思ったくらいでした。

突然、メキシカン種が戻ってきて嬉しさのあまり、情報を整理してみました。

なるべく早く、メキシカンマホガニーの名誉を回復すべく追加リサーチしたいと考えています。