ムン・エボニー

ローズっぽい色や杢がウリの東南アジア産エボニー(Diospryus mun)です。

指板を作ろうと思っていたのですが、柾目から追い柾目にかけて美味しそうなので薄くヒラいてみます。

ここからはFWの愚痴&注意喚起コーナーです。ご用とお急ぎでない方のみご覧ください。

この木を輸入する際、物流業者から連絡があり、エボニーはCITES該当材なので輸出国の許可書がないと通関できないと言われました。

エボニーはマダガスカルの個体群以外は規制されていないので書類不要なはずと説明したら、「ではマダガスカル産ではない証明書をくれ」ときました。

木材の流通は、全世界性善説(サプライサイドから言われたことを信じる)で成り立っており、そんな樹種同定証明書はどこの誰も持っていないと言っても理解してくれません。加えて、私の今までの経験上、エボニー類を含めて木材を輸入する際、樹種名と正しい学名を申告すれば税関から「それを証明をせよ」などと要求されたことは一度もないと言っても納得できないようです。

このままではラチがあかないので、少々声を荒げて(フリですが)「税関から指摘があったのならともかく、物流業者の思いつきで不可能な証明を要求する、そんなことはあなたの職務じゃない!」と一喝したら、しぶしぶ、”CITES非該当材なので輸入を認めて欲しい”的な書類を作ってくれたら、それを持ってとりあえず申告してみるとのこと、私の「意を汲んで」だそうです。

で、それらしき簡単な文章を作って送ったら、直ぐに「通関できました、本日発送します、お手数をおかけしました」との返答が返ってきました。

結果オーライ主義なので、こちらも礼を言ってお開きにしましたが、CITE規制に対する物流業者の過剰対応(理解不足含む)は本当にストレスたまります。「税関当局から通関に際して書類不備がないよう強く言われている」と苦しい言い訳をしていましたが、輸入可否を判断するのは税関の仕事ですから、生真面目の域を超え個人の裁量で荷受人に無用な負担を強いることは控えてもらいたいものです。

CITES附属書Ⅱ欄より抜粋
CITES附属書Ⅱ欄より抜粋